おおたクリエイティブタウンとは
ものづくりのまちからクリエイティブ・ファブタウンへ
大田区は、最盛期には1万近くの「町工場」が盛んに精度の高い製造業を営むまちであり、近年でも「下町ボブスレー」などの盛り上がりを見せる、いわば、「ものづくり」のまちである一方で、東京都心部や羽田空港へのアクセスも手伝って、人口は現在でも微増し、生活都市としても発展し続けているまちです。しかしながら、製造業の担い手は大きく減少しており、豊かな地域の価値が失われつつあります。また、近年になると、新たな生産活動の担い手として、クリエイターやデザイナー・アーティスト・クラフト作家など、創造人材も区内に増えてきています。こうした新たな担い手の力も借りながら、「モノづくり」(新しいものづくり)と地域の「まちづくり」が融合して、地域の豊かな価値を生み出すことのできる、「クリエイティブ・ファブタウン」の創出が期待されています。
おおたクリエイティブタウン構想とは
おおたクリエイティブタウン構想とは、おおたのまちの豊かさを次世代にまで受け継ぎ続けるために、これまでの地域のアイデンティティでもある「モノづくり」の力を、地域の重要な資源として生かしながら、新しい価値を生み出すための創造性も採り入れ、これを暮らしの中に落とし込んでゆくための総合的な都市再編(エリア・コンバージョン)構想です。特に、?「技術」(モノづくりの力)×?「創造」(クリエイティブな力)×?「生活」(地域の力)を重ね合わせることで、大田区ならではの、地域価値を豊かに育むことができるような将来像を描いたものです。
構想を実現するための「3つの視点」と「プロジェクト」
おおたを豊かなクリエイティブタウンにするために、我々は、3つの視点と、この視点を併せ持ったプロジェクトを設定しました。3つの視点とは、?モノづくり(産業)の発展=創造産業化(モノづくりを成長させる)、?まちづくり(地域)の発展=アセットマネジメント(地域の資産を生かす)、?観光の発展=エリアプロモーション(外部の力を採りこむ)です。この3つの視点をバラバラに考えるのではなく、3つの視点をセットで重ね合わせられるようないくつかのプロジェクトを検討し、それを実行するアクションプランを検討しました。そうして考えられたのが、「モノづくりたまご」、「おおたオープンファクトリー」、「くりらぼ多摩川」などのプロジェクトです。また、これをどういう順番で実現してゆくかの戦略(アクションプラン)を検討しました。
構想を実現するためのアクションプログラム(プロジェクト)
まずは、町工場の力と地域(学生)の力をつなぐようなカプセルトイグッズの製作(モノづくりたまご)、期間限定で地域内のたくさんの町工場を無料で一斉に公開する取組み(おおたオープンファクトリー、以下OOF)、小さな町工場の活動を支え、新たなモノづくり活動を巻き起こし、地域や内外に発信するための拠点(くりらぼ多摩川)などのプロジェクトを実施してきました。今後は、大田区全体での連携協力(オープンファクトリーの大田区全体への展開やおおたクリエイティブネットワークの構築)、地域参画の窓口づくり(モノ・まちサポーター:一部OOFを支援する「ねじまき隊」として実現)、Made In OTAの製品開発、ストックの活用やルール作り(不動産等)、拠点形成(おおたクリエイティブタウンセンター)などが期待されます。
クリエイティブ・ファブ・エコシステム
こうしたプロジェクトの実現を通して、おおた全体で、いろんな新しく楽しい豊かな価値が生み出されるように、「技術」×「創造」×「生活」を生み出す場所が様々な場所に生まれ、その結果、豊かなクリエイティブ・ファブの生態系(エコシステム)が生まれることを目指しています。新しいモノづくりが生まれる創造の場、モノづくりの担い手やクリエイターなどが集まれる場、新しく楽しい暮らしが営まれる場など、まちじゅうに新たなモノづくりの拠点が生まれ、そうした拠点同士が連携して、クリエイティブ・ファブタウンが育まれるような将来像を考えています。近年、こうした動きを高める様々な拠点が大田区じゅうに立地しており(KOCA、羽田イノベーションシティ、ART FACTORY城南島ほか)、他の拠点とも積極的な連携を高めていきたいと考えています。(おおたクリエイティブネットワーク)